「上手くなるってなんだろう・・・」
任天堂の新しい携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」発売のニュースを見た。
ゲームが難しくなってマニアのものになり、売り上げが落ちているので、
ゲームの面白さの原点に帰って、ゲームをやらないような世代までも取り込めたら・・・と社運を賭けて開発したらしい。
「技術が高度になり過ぎてマニアしかいなくなった」というところ、
今の日本の漫画、アニメも同じでは?と思う。
上手くなりたい→技術をみがく→リアル嗜好になる
→その描写にみんなびっくり!上手!と絶賛→しかし受けはというと、マニアが喜ぶ結果に・・・
上手くなりたいという向上心はなくてはならないものだけど、
なんだか皆方向が同じになっている気がする。
自分が上手く無いからそう感じるんだろうけど、漫画に関しては 、あまり「リアル」で無い方が、いいんじゃないかと思う。
その漫画がどんな物語を語るかによるけれど、感情移入しにくいのである。
リアルに神経質に画面を作れば作るほど、漫画に嘘や想像の余地がなくなり、
冷たい世界に感じるのです。
少年漫画ぐらいまでは、もっとシンプルで漫画らしくデフォルメされたものの方が、
子供読者はとっつき易いと思う。(似顔絵がまねしやすいくらい)
技術力アップ、というと、手っ取り早くて効果的な絵の方に気持ちがいくが、マンガは絵だけでは無く、
キャラクター作り、ストーリー構成、コマはこび、構図等、一人で脚本、監督、美術、
はたまた武術指導まで担当しなくてはならない、総合的な娯楽。
絵だけで勝負というものではない。
しかし、現実は素敵なキャラクターデザイン、今風の洗礼された技術が要求され、
肝心の漫画力は二の次になっていると思う。
もちろんデザインが決まっていればいいに越した事はないし、商売にすぐに結びつきます。
でも、一般読者はそんなことをまず最初に望んでいるのだろうか?
「面白い作品を読みたい」、と第一に思っているのではないだろうか?
ーーーここに拾ってきたビッグコミックスペリオールがあります。
ちっとも読んだ事がない雑誌ですが、おやっ?と思わせて読んでしまったのは小山ゆうの「あずみ」だけでした。
もちろん今までちゃんと読んだ事はありません。
ですが、小山先生、絵はもう古い、の一言で片付けられそうですが、一番漫画らしく読ませてくれました。
他の沢山書き込んだ、技術的に文句のない作品は、途中から読んでも人間関係や、その世界が少しも理解できず、
「次も読んでみよう。」という気が起こらないのです。
最先端の技術も大事でしょうが、ここらで漫画本来の楽しさ、面白さを取り戻さないと
漫画もマニアのものになってしまいます。(というか、すでになっている。今は漫画の読み方さえ判らない子がいる)
自分が子供の頃を振り返ってみて、漫画に引き込まれて読んだことを思い出すと、 面白いのは当たり前だけれど、
「子供が読んでもわかる、わかりやすさ」がまずあったと思う。
わからなければ、漫画の中に入っていけませんから。
私が初めて自分のためにコミックスを買ってもらったのは、確か幼稚園の年長時で「タイガーマスク」2巻
(1巻は売り切れだった)だったけれど、台詞はあまり読んでいなかったと思う。
字が完全に読めなかったから。
コマとコマをつなげて読めば、だいたい誰が何をして、どんな気持ちになっているか充分理解できたし、
読んでいる途中で話がわからずにつっかかる、ということも無かった。
今の漫画はどうでしょう?初めて読んで、台詞無しでわかるでしょうか?
アントニオ猪木は「素人を喜ばせてこそプロ!」と言っていたと思いますが、誰が読んでもわかるもの作りをしないと、
漫画を読んでくれる人はマニアだけ、になってしまうと思う。
漫画のレベルアップを目指した末が、少しの読者だけになってしまったら哀しいじゃないか、と漫画大好きな私は思うのでした。
(2004-12-03 22:06 ブログより)